プロの真似をしても上手くいかない理由
プロのスイングを参考にしても
安定したスイングを身に付けるのは
難しいと言うことについて記します。
先日、初めてレッスンに来て下さった
生徒さん(Mさん)が、
「最近、手首の掌屈って言うのを
見ますが、真似してるんですけど
上手く出来ないんですよね。。」
と仰ってました。
私が、
「何が上手くできないんですか?」
と伺うと、
「元々ミスはスライス気味なんですが、
それは、少し減った気がするのですが、
左に引っ掛けが出るのと、芯に当たらず
トップしたり、やっぱりスライスしたりと
安定しないんです」
「それに、トップが安定しなくて、
なかなか定まらなくて、どう上げたら
いいのか分からないです。
振り抜きも悪くて、フィニッシュが
なかなか取れないです」
と仰ってました。
よくあるパターンです(笑)
Mさんの問題は、
ダウンスイングの軌道が悪く、
インパクトがとても
不安定なことでした。
インパクトの瞬間に、体を傾けながら
打っていて、傾け過ぎたら右へ、
傾かずに振り抜くと、ヒールに当たりトップ気味、
それか左へ飛ぶと言う状態でした。
良いショットも出ますが、確率が低いことが
問題で、傾いて打つためになかなか
上手く振り抜けないので、フィニッシュも
決まらなかったのです。
Mさんは、トップの位置を良い位置に
決めようと、バックスイングを腕で行っていました。
腕で振り上げるために、毎回軌道が不安定になり
なかなかトップがさだまらなかったのです。
更に、掌屈でレイドオフのトップは、
クラブフェースがインパクトで
閉じて左に飛びやすくなる特徴が
あります。
それと同時に、腕と体の一体感が
薄れてしまうという特徴もあるのです。
最近の流行りで、トッププロの型でもあるので、
一般的には良いものだと思われていますが、
決して誰にでも合うものではないのです。
今回は、その理由は記しませんが、
スライスが酷い人以外には
決してオススメされる型ではないとだけ
お伝えしておきます。
Mさんもやはり、この型を真似しても
全くスイングが安定しなかったのです。
Mさんがやるべき事は、トップの形を
プロのようにする事ではなく、
自分自身の問題を知り、自分特有の問題を
改善する事なのです。
具体的には、
バックスイングでキチンと体を回転して、
腕でクラブを持ち上げるのではなく、
「体の回転を親分」
として無駄な腕の動きを無くすことです。
Mさんの場合は、これによりダウンスイングの
軌道が改善されて、結果インパクトも安定する
ことになります。
ゴルフのスイングは、アドレスからフィニッシュまで
全てがつながった一連の連続運動です。
もしプロの型を取り入れるならば、
アドレスからフィニッシュまで、全て真似する
ことです。
それならば、プロのように安定して
上手く打てるかもしません。。。
本当に?
いや、無理でしょうね。。
そう思いますよね??
どうしてゴルフって、上手い人のどこか
一部分を真似したり、取り入れたりしたく
なるのでしょう?
不思議ですよね。。
でもこれってゴルフだけではないですよね・・
他のスポーツに関しては分かりませんが、
ゴルフの場合は、プロの真似をしても
その場しのぎにはなるかもしれませんが、
(超スライスやチーピンが減るような感じでは。。)
本質的にスイングが向上し、安定して
良いスコアでプレー出来るようになれるのか?
と言えば、おそらく無理でしょう。
どんなプロも、そのスイング中には
何かしら癖や問題点を含んでいるものです。
そう言った、癖によるズレや、特有の問題を
インパクトの瞬間に上手く調整して、
真っすぐに飛ばすようにしているのです。
一般的には知られていない、この“真実”
がプロのスイングを真似しても
上手く行かない最大の理由なのです。
わずか1/2500秒の瞬間に行っている
微調整を真似することが出来るのか?
子供のころから培ってきた感覚や
才能、練習量など全ての要素があっての
”調整”です。
難しいことが、理解できますね?
ということで、上手くなりたければ、
上手い人やプロのスイングを参考にするのではなく
自分自身のスイングを極めることです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
本物のナイスショットと安定したスコアアップのために
A.Ishida