「軸を保つ」ってどういう事?

先日のレッスンに、いわゆる
「ギッタンバッコン」と言われる
症状の方がいらっしゃいました。

英語だと「reverse pivot」

 

この方は、レッスンの前に
「軸を保つように意識しています」
と仰ってました。

 

私が、
「具体的には、どの様にしているのですか?」
とお伺いしたら、

「目線を変えずに、保っています」と
仰るので、

「顔の向きや、頭を動かさないように、
と言うような感じですか?」と伺ったら、

「そうですね」とのこと。

 

私は、
「軸と仰ってましたが、それって
背骨のことですか?」と伺ったら、

「はい、そうです。
フィニッシュが上手く取れず
体重が残ってしまったり、後ろに
のけ反ってしまうので、
そうならないように、軸を
保つようにしているのです」

とのこと。
この方は、そもそもバックスイングの段階で
体の回転軸(ここでは背骨とします)が
目標側へ傾いてしまっていて、その影響で
インパクトからフォローにかけて
上手く振り抜けずに、昔で言う
「明治の大砲」状態になっていました。

 

それを防ごうとして、
「目線を固定し、背骨軸を保つ」という意識を
持っていたのですが、それが
「更に問題を悪化させる原因」
となっていたと言う、アマチュアには
よくある状態でした。

 

スイングは、回転運動なので、その回転の
「軸」が大切だと思うのは理解できます。
安定して動くための「軸」を安定させる
という事です。

 

このよく聞くゴルフ用語の「軸」は、
回転の中心とか、軸ということですが、
人間は、コマや機械ではないので
実際は、背骨が固定されていて、
その周りを胴体が回転するという型には
なっておらず、背骨ごと動いています。

 

実際のスイングを背中側から見ると
よく分かりますが、背骨も動いているし
曲がってもいます。

 

私は安定したスイングでの「軸を保つ」
こととは、体の正面側から見た時の
上半身の角度を保つことだと考えています。

 

背骨の角度とも言えます。
右打ちの人の場合、アドレスでは、
左肩と腰がそれぞれ右肩、腰より
高くなり、右へ傾いています。

 

この角度を維持してトップへ入り、
切り返し、インパクトして、
フォローへと向かう

 

これがプロにも見られる、
「軸が保たれた」状態です。

 

ちなみに、安定したスイングでは、
もう1つ保たれているモノがあります。

 

それは、いわゆる、
「上半身の前傾角度」です。
前傾とは、体の正面側ではなく
飛球線の後方側(右打ちの方の右側)
から見た角度です。

ですので、良いショットを安定して
打てるようになるには、体の「角度」を
保つことが大切だと言うことです。

 

では、どうすれば軸、つまり
「角度」を維持できるのでしょうか?

 

多くの人は安定して打てないと、
「体が無駄に動きすぎてしまっている」
「前傾が保てない」
「スウェイしている」
「フィニッシュが取れない」
「バランスが崩れる」
等の自分の良くない状態を感じ取り、
それをなんとか防ごうとしてしまう傾向に
あります。

 

しかし、こういった事を治そうとしても
なかなか治らないことが多いですよね?

 

それは、これら自体が問題ではなく、
何かの問題の影響を受けた結果
「そうならざるを得ない」から
「そうなってしまっている」からなのです。

 

なので、軸を保ちたい、前傾を維持したい
と思うのであれば、
例えば、
・どのように体を回転すると軸が
保たれるのか?

とか
・どのように回転すれば、前傾が
維持できるのか?
を、知り、実践することです。

 

【ズレてしまうから、ズレないように】
とか
【ズレているのを、正しく行う】
という単純な意図でも改善するならば
それは良いですが、
「意識してもなかなかできない」ならば、
違う意識や、意図をもって臨むことが
必要です。

 

最近は、YouTubeの動画も多いし、
スマホのカメラも高度な撮影ができますし、
アプリも色々便利なモノが多いので、
「どの様に動くべきか?」
「どんな風にスイングするべきか?」
と言う正解像に対して、
「自分がどうなってしまっているのか?」

「どこがズレているのか?」と言ったことが
よく見れるようになりました。

 

しかしながら、
「どうすれば、その正解像の様に
スイングできるのか?」
の解答には、なかなかたどり着きませんね。

 

いつもお伝えするように
スイングは十人十色
やるべきことは、人によって異なるのです。

 

今回のテーマである、「軸を保つ」ことの例で言えば、
軸を保つように意識するのではなく、
「自分の場合は、なぜ軸が保てないのか?」の
原因を知ること。

 

そして、その原因を取り除くために、
「何を意識して、どんな風に動けばいいのか」
を知り、練習することです。

 

それができれば、結果として、
「無意識でも勝手に軸が保てちゃっている」という
状態になり、1度しか打てないコースでも
それを再現することが出来るようになるでしょう。

 

無意識でもできるのだから、当然コースで
再現できますよね?
本質的に向上したければ、
そういう風に取り組んで下さい。

 

最後までご覧いただき有難うございました。

 

本物のナイスショットと安定したスコアアップのために
A.Ishida

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


前の記事

あなたの良い所はどこ?

次の記事

ご自分を理解していますか?