スイングに正解はない!?

スイングに正解は無い

これはある意味では、合っていますが
どんなやり方でもOKなのかと言えば、
そうとも言い難い面もあります。

 

今回は、スイングの調整についての
考え方について記します。

 

先日、練習場でレッスンしている横で、
ある男性がボールを打っているのを
知り合いの上級者が、指導する
という場面に遭遇しました。

 

その時の様子を以下に再現します。
(男性は、Kさん、上級者は、Mさん)

 

Kさん
「右に曲がっちゃうのを何とか
したいんですよね・・」

Mさん
「フェースが開いて当たっているからだよ。
もっと閉じればいいんだよ」

Kさん
「なるべく早く手を返そうと
しているんですけどね。。
なかなか上手く行かないんですよ」

Mさん
「アドレスでもっとフェースを被せれば
いいんだよ」

Kさん
「こうですか?」

Mさん
「そうそう」

Kさん
「まだ右に行っちゃいます・・」

Mさん
「もっとだよ、もっと被せないと!」

Kさん
「こんなにやっちゃっていいんですか?」

Mさん
「いいんだよ。ゴルフは上がってなんぼだから!
スイングなんて極端な話、どうでもいいんだよ!
自分の型で目標に飛ばせばいいんだよ」

Kさん
「そうですよね。ならば、これくらい
被せればいいですかね!?」

Mさん
「そうそう。それで打ってみなよ」

Kさん
「まだ、右に行っちゃいますね・・」

Mさん
「力が入っているし、打ちにいってるから
腕が返らないんだよ!
もっと自然に振り抜かないと!」

Kさん
「当てに行ってしまうんですよね・・」

Mさん
「もっと何もしないで振り抜かないと!
自然にだよ!
ただ振り抜くだけ!」

Kさん
「難しいですね。。
意識しても出来ないなあ。。
どうしてMさんみたいに
スイングできないんですかね!?
自分は、ほんとMさんの様に
スイングしたいんですよね。。」

Mさん
「もっと力まず打ちに行かずに
振り抜くんだよ。それに、
もっと左に振り抜かないと!」

Kさん
「なかなかできないっす・・」

 

その後も延々と続いていました。。。

 

後日、そのKさんが練習しているのを
見かけましたが、相変わらず
右に曲がるショット多発で。。
ちょっと可哀そうになりましたが、
知り合いでもないので、どうすることも
出来ずに。。

 

さて、このKさんのような方は、
Mさんの言うように、アドレスで
極端にクラブフェースを閉じてから
グリップすれば、スライスは
かなり減らせます。

 

どのくらい閉じるのか?は
調整しないといけないですが、とりあえず
極端に閉じておけば右へは飛ばなくなります。

 

しかしながら、それで、問題が本質的に
解決するのか?と言えば難しい面があります。

 

スライスは、通常はアウトサイドイン軌道と
開いたクラブフェースの組み合わせで
発生していますので、フェースだけを開かないように
調整すると、どうしても極端に左への
ショットが出てしまいます。

 

それに、仮に真っ直ぐに飛んでもロフトが
かなり立って当たるので、長いクラブ、
UTやウッド系はボールが上がらなくなり、
上手く打てる確率は低くなってしまいます。

 

ですので、このKさんのような場合は、
スイング軌道を改善しないと、
ものすごい遠回りをしつつ、
無数の球を打って、Mさんの言うように
「自分の感覚」をつかむ事が必要になります。

 

スイングは、十人十色で
個性が合ってかまわないものです。

 

ただしそれは、ボールを安定して
目標に飛ばすために、合理的な
インパクトを得るために調整する部分

具体的には、

アドレス
バックスイング
トップの位置
などは、

その人の
筋力
体型
柔軟性
元々のスイングの癖

等の個性に応じて調整しても
構わないと言える部分ですが、
【何でもあり】
という事とは違うと思います。

 

いわゆる
【教科書通りのスイング】が、
もし有ると仮定したら、それを
皆が守る必要は、全くありません。
そういう意味では「型」あるいは、
「正解」は無いと言えます。

 

ボールが目標に飛ぶ
物理的構造は、誰にとっても共通なのです。

 

ですから、誰もが、その理想的な
インパクトゾーンに近づくように
練習をしているのです。
プロでさえもそうです。

 

ただそのインパクトゾーンを
どの様に改善して高確率で
目標に打てるようにするのか?
が、我々がやるべき事ですが、
この選択肢は、2つあるのです。

 

1つは、
”インパクトゾーンのみ”を調整し
狙った方に確率良く打てるように
”感覚を磨く”です。
もう1つは、
スイング全体の流れを改善し、
合理的で安定的にインパクトしやすい
”流れを作る”です。

 

これは、簡単に言えば、
今のスイングのまま(微調整はしても)
基本的な構造は変えずに、
上手く打てるように”修練する”のか、
スイングの構造を根本的に変えるのか
という事です。

 

レッスンに来てくださっている方は、
構造を改善しようとしているわけですが、
どちらが正解なのかは、誰にも判断が
できません。

 

私の個人的な見解ですと、
インパクトゾーンを鋭く察知して
感覚的に調整できる能力の高い人は、
現状である程度打てていれば、
スイングの構造を変えるよりも、
感覚を磨く方が良い気がします。

 

自分の動作(スイング)の癖を変えるのは、
一筋縄ではいかないからです。

 

現状で、あまり上手く打てていない人は、
結局のところ練習をしなくてはいけないのですから、
悪いシステム(スイング)を変えて、
良い動き(スイング)に変える努力を
した方が、良いのかなと思います。

 

「スイングは、何でもいい。
型は無い、自分なりでいい」
という考え方は、構造を変えず
”感覚を磨け”と言っているのです。

 

上手く打てるようになる調整方法を
知らない場合は、その選択肢しか
ありませんが、スイングを変えて
改善することも、当然ですが、
可能なのです。

 

最終的には、どの方法を選び、
「それを信じて最後までやり切るか」
にかかっています。

 

つまり、上達する方法も正解は
1つではないのです。

 

何が正しいのかは、
「神のみぞ知る」・・
だからゴルフは楽しいのでしょうか!?

 

最後までご覧いただき、
誠にありがとうございました。

 

本物のナイスショットと安定したスコアアップのために
A.Ishida

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