安定したスイングの要

安定したスイングの要について
石田昭啓


私が約20年間レッスンをしていて、 最もよく聞く悩みは 「安定しない」 ということです。 「良いショットが出るからこのスイングで
良いと思うんだけど・・・」 と思っている方 いくら良いショットが出ても、 それが「安定して」出ない限りは、 安定したスイングとは言えませんね? 何かを身につけようとしている段階ならば、 失敗も出て大丈夫ですが、 打ち方を考えずに振って ミスが結構出るならば、 それは安定していないスイングということです。
安定しない度合いは、レベルによって
異なります。
1) ・ほぼ失敗 ・たくさん打ってるとたまに
ナイスショットも出る ようなあまり上手くない人の状態
2) ・たまにミスが出る ・日によって変わる ・クラブによって変わる ような、まあまあ上手い人の状態
3) ・まれにミスする ・3日は良いけど最終日までに1日は崩れる ・1年に数週、あるいは数回は満足いくレベルのプレーが出来る というようなツアープロのような状態 更には、
4) ・スコアはある程度出る ・優勝もできる ・でも満足いかない ・メジャーでは勝てない というトッププロレベル 等々。 全てのゴルファーが求める安定感 どうしたら獲得できるのでしょう? 安定したショットは⇒ 安定したスイングから生まれます。 安定したスイングとは⇒ 安定したインパクトゾーンの
スイングのこと。 安定したインパクトゾーンとは⇒ 安定したスイング軌道+安定したクラブフェース
で構成されています。 ボールの飛球を決める物理的要素が この2つだからです。 安定したスイングとは? と聞かれて、 ・高いトップ ・下半身主導 ・コックを使わない ・体重移動 などなど 個別の“形”を挙げる方が多いですが、 ボールの飛球は全てインパクトで決まります。
ですから上記の答えは、 条件の一つになる可能性はありますが 答えとしては的がズレています。 ボールが左に飛ぶのはなぜ? という質問に対して、 「下半身が使えてない」 「肩が回っていない」 と答えるのと同じです。 ボールが左に飛ぶのは、 「インパクトの瞬間にクラブフェースが 左を向いているから」です。 ゴルフスイングで最も大切なのがインパクトです。 その部分を安定させることが、 「安定したスイング」につながるのです。 究極に安定しているのは、 スイングする機械、 つまりロボットです。 メーカーがクラブを開発する時に使うアレです。 インパクトゾーンでアドレス時の クラブシャフトの角度と クラブフェースの位置が 完全に再現されています。 つまり構えた位置と 同じ位置に戻ってくるということです。 では人間が同じことを出来るでしょうか? かつてニック・プライスという選手が 活躍していました。 世界ナンバーワンにもなり、 PGAツアーでメジャー3勝を含む通算18勝、 2年連続で賞金王にもなっている 偉大な選手です。 彼のスイングは、クラブがインパクトで アドレス時のシャフトの位置に、 ほぼ完全に戻ってくるという 神業のような物でした。 そのニック・プライスが
当時この様に言っていました。 「スイングで最も大切なことは、 パターからドライバーまで全てのショットで 体を正しく使うこと、 その体がスイングの主体となることです」 私は初めてこれを聞いた時には漠然と、 「体を使うのか~。手でやっちゃダメなんだな」 と理解しました。 しかしながら、実際のアプローチでは 依然、手を使って打っていました。 本当に良いことを見たのに 全く理解していなかったのです。 このニックの言葉に
究極の心理が含まれているのです。 安定したスイング軌道には、
安定した体の回転が求められます。 アドレスした時の背骨の前傾角度を
保って回転することでクラブの動き、 つまりスイング軌道が安定するのです。 背骨(体)の角度が変われば、 腕の位置も変わってしまい、 インパクトでクラブのシャフトの角度を 元通りに戻すことができません。 角度がズレていたら
クラブフェースもスクエアには
なりません


ゴルフボールは止まっているので
それらのズレを瞬間的に調整して
も当てることはできるのです


しかし瞬間での調整は
不安定なスイングとなりますね?

パッティングを想像していただくと
理解しやすいでしょう。 パッティングの際、 当たる瞬間に手でクラブフェースを 開いたり、閉じたりしたら ボールの方向性はどうなるでしょう? 通常は安定させる為に 瞬間的な手の操作をしないように
手首を固定してスイングします。 それが方向性や距離感を
安定させるコツだと
理解しているからです。 これはショットでも全く同じなのです。
インパクトの瞬間に手で操作しないためには、 手がアドレスの位置に戻ることです。 その為に体の角度を維持して
回転することが大切なのです。 手の位置(高さ)が変わると クラブフェースの向きも変わることは 理解できるでしょうか? アイアンを持って、地面に
ライ角度通りに置いてみましょう。 そこからグリップを高い位置に動かすと、 クラブのヒールが浮いてきて、 クラブフェースは開いていきますね (右打ちの方だと右に向くという事です)。 さて整理しましょう。 ・安定したスイングには、
安定したインパクトゾーンが求められる →安定したインパクトゾーンには、
安定した(つまり角度を維持した体の回転)
が求められる。 →安定した体の回転が 安定したスイング軌道と 安定したクラブフェースの位置を作る という事。 もしアドレスした時と比較して、 インパクトで背骨の角度が
変わってしまったら つまり、体の位置がズレて
しまったらどうでしょう? 腕や手の位置も変わりますね。 当然クラブフェースの向きも変わります。 ですから、スイングが安定しない人は 体の角度が維持出来ていない人と言えます 体の角度がズレるから、 クラブフェースの位置もズレる。 そのズレを瞬間的な手の操作で
スクエアにしようとする。 だからいつまで経っても安定しないのです。 インパクトの瞬間はわずか、1/2000秒。 この一瞬で毎回同じようにインパクトをすることが どれだけ難しいかは、あなたもよくご存じでしょう。 安定したければ、体の角度を維持して回転することです


それが安定したスイングの要です


最後までご覧いただき、
ありがとうございました


本当のナイスショットと安定したスコアアップのために
A.Ishida

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